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ネルー値 | 日本画 | 坂根輝美
作家になって十数年たちますが、いつも締め切り日のギリギリまで描いています。不思議なことに、早めに取り掛かっても同じです。けっしてサボっている訳ではありません。そして毎度毎度ギリギリにもかかわらず締め切り日に間に合わなかった事もありません。
先日、AI研究で著名な松尾豊先生の「なぜ私たちはいつも締め切りに追われるのか」というカジュアルな?論文を読みました。(以下、括弧内は論文からの引用です。)
この論文の中では「期間中に効率が均等になるように集中力を下げ、同じペースで仕事をし続けるのが最適」としつつも、ここに集中力という変数が入ることにより、「やっつけ仕事と創造的仕事」で結果が違ってくると書かれていました。(やっつけ仕事(ルーチンワーク)は集中力の影響はほぼ無いが、創造的仕事では集中力が高いと効率が上がり仕事が捗る。)
つまり、創造的仕事の場合は、「時間がなくなる→集中力を上げる→仕事の効率が意外に上がる」結果、「何とか間に合うという経験」をしてしまい、「それで何とかなるから学習する必要がない」となるそうです。なるほどな〜と思いました。
論文の最後には「反省すべきは「早めにやっておけば良かった」ではなく、「もっと集中すべきだった」である」という目の覚めるような一文もありました。
ちなみに、論文の中でネルー値(ゆとり値?)という概念が使われていて、「今日、このまま寝てしまっても締め切り等に影響がない状態」を1ネルーと言うそうです。(3日寝ても大丈夫な場合は3ネルー)
画商さんから仕事の依頼がきたとき、そのとき取り掛かっている仕事のネルー値を確認して、依頼を受けるかどうかを決めてもいいかもしれませんね。画商さんにネルー値を伝えてもいいかもしれません。(笑)
ネルー中の我が家のねっこ。
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